19.10.15

北海道教育委員会による「校内におけるクリアファイルの配布等に関する調査について」の通知発出に抗議し、調査の中止・撤回を求める【声明】

 北海道教育委員会(以下、道教委)、10月14日総務政策局教職員課服務担当課長名による「校内におけるクリアファイルの配布等に関する調査について」を発出した。

 これは、(1)「アベ政治を許さない」と印刷されたクリアファイルの状況について、「校内で職員が配布しているところを見たことがあるか」「職員が使用しているところを見たことがある」等、他の職員の行動を監視・密告させるものであること(2)この調査が、「政権批判は一切許さない」という内容を含み、言論・表現の自由を保障した日本国憲法に違反し、職員を委縮させるものであること(3)この通知は、9月29日の自民党・藤沢道議の議会質問に端を発しているが、これは教育基本法にある「不当な支配に服することなく」に、道教委自らが背き「教育の中立」を損ねることを意味している。

 安倍政権は、2014年7月1日、自衛隊を海外の戦場に派遣し武力行使を可能にする「閣議決定」を行なった。そして、その具体化として、2015年9月19日未明、「安全保障関連法案」(戦争法案)を参議院で強行採決し「成立」させた。これは、日本が戦後70年間、戦争をしない平和国家として存在してきたことを大転換させ、「戦争できる国家」へと踏み出すことを意味するものである。

 今回の調査は、自民党の道議が議会質問を通して、「戦争法」推進の役割を果たし、教育を戦時体制に組み込むものと言わざるを得ない。

 私たちは、第2次世界大戦の痛苦の反省から日本国憲法が誕生し、教職員は「教え子を再び戦場に送るな!」を信条としてきたことを決して忘れない。

 道教委は、「不当な支配」に屈することなく、教育条理基づいた教育行政を行なう責務を負っている。まさに、今回のクリアファイル調査は、道教委の見識が問われている。

 速やかに、この通知を撤回し、調査を中止することを求める。

 私たちは、日本が再び「戦争する国」にならないために、多くの国民と協力し、安倍政権の暴走・暴挙とたたかう決意を表明する。


 2015年10月19日
 北海道高等学校教職員センター附属教育研究所・相談所
 「教え子を再び戦場に送るな!」北海道の会